
今月5日、NHK、日本民間放送連盟ら23の団体・事業者は、著作権侵害行為の事前防止策の要請を、動画投稿サイトのYouTubeに対して連名で行ったことを発表しました。
YouTube宛の要請文には、以下2点が上げられています。
(1) 米国のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)による削除手続き「Notice & Takedown」が、大量の違法アップロードによりうまく機能していないこと
(2) そのためYouTube側の技術的手段・工夫によって、著作権侵害行為を排除するシステムを実現すること
この、YouTube宛の要請文では「Notice & Takedown」の手続きで権利者に無断で動画がアップロードされている事態の対応をおこなってきたが、この手続きのために「莫大な時間と労力がかかって」いるとしています。
そのため、「Notice & Takedown」の手続きは大量の違法アップロードにより、著作権侵害行為を排除するためにうまく機能しなくなっている現状について、「大変憂慮」している旨が要請文の日本語訳資料で綴られていたようです。
さらに要請文では、YouTubeの現状を鑑みると、YouTubeには権利者からの「Notice & Takedown」の手続きを待つのではなく、違法なアップロードと配信による著作権侵害行為を予防・回避する責任があるとの考えが示されています。
続けて、YouTubeが技術的対策・工夫をし、著作権侵害行為を排除すると同時に、適正な権利者からの投稿作品であることを識別・表示できるような、侵害予防システムを実現するよう要請しています。
また、YouTubeが予防措置を講じるまでの間、23の団体・事業者は、以下の3点のような暫定的対策も併せて要請しています。
(1) 「投稿者本人が著作権を有せず、権利者の許諾も得ないまま映像作品を投稿またはアップロードする行為は違法であり、民事・刑事上の責任を問われる場合がある」ことを、YouTubeのトップページに日本語で掲示すること
(2) 今後アップロードするユーザーに対しては、氏名・住所などを登録させ、その情報を保持すること
(3) 以前、これら23団体・事業者の求めに応じて、YouTubeが6月以降に削除した映像作品をアップロードしたユーザーについて、以後投稿できないようにアカウントを無効とすること
この要請文の回答期限は12月15日までに設定しており、YouTubeからの回答があり次第、意見交換会を実施し、回答内容を検討するとしています。
今回の要請文は、以下23団体・事業者の連名によるものになっています。
日本映画製作者連盟、日本映像ソフト協会、日本動画協会、全日本テレビ番組製作社連盟、日本放送協会、日本民間放送連盟、日本テレビ放送網、東京放送、フジテレビジョン、テレビ朝日、テレビ東京、テレビ神奈川、朝日放送、讀賣テレビ放送、東海テレビ放送、衛星放送協会、スペースシャワーネットワーク、放送大学学園、コンピュータソフトウェア著作権協会、実演家著作隣接権センター、日本レコード協会、ヤフー、日本音楽著作権協会